冬…ポレポレハウス裏の草原は真っ白な雪でうめつくされ静まりかえっている。朝、カーテンを開けると雪の上に可愛い動物たちの足跡がてん・てん・てん…。キツネ・うさぎ・タヌキ・鹿・かもしか、そしてイノシシ。夜の草原はにぎやかだ!山につづく森、川につづく森、その間に広がる雪の草原を動物たちはあっちへいったり、こっちへきたり歩いているんだ!
草原の上では昼に鹿たちが元気よく走り回っている。かもしかは森の木や葉っぱをなめにくる。目があうとジーッとこっちを見ている。そして「ふっ」ときびすを返すとゆっくりと森へ入っていく。キツネやタヌキやイノシシはトボトボと下を向いて歩いている。エサを捜してるんだろう……。野ウサギは足跡のうしろに丸〜いお尻のあとをつけて走る。
晴れた寒い朝…すみきった青い空からチラチラと雪が舞いおりてきた。太陽が草原を輝らすと、あたり一面がダイヤモンドを散りばめたようにキラ・キラ・キラ・キラとかがやきだす。「きれい!」
さらに太陽の光に輝らされた空気中の水分は小さな氷のつぶとなってダイヤモンドの粉末のようにきらめく「ダイヤモンドダストだ!」
毎年3月に入ると草原の雪はかたくなり、雪の上を歩いても「ズボッ」と雪に足をとられる事がなくなる。「かた雪だ!」「かた雪かんこ、かた雪かんこ」と雪の原っぱを、はしゃいで歩く。
カラスが飛んでいる。数がだんだんふえてくる1羽、2羽、3羽……10羽。
カラスがたくさん集まってせわしなく鳴きかわす。こんな日は草原のどこかで動物が死んだのだ。
みとどけに走る……やっぱり鹿が横たわっていた。鹿の上に降り出した雪がやさしくやさしく積もった。
草原に東風が吹くようになると
芽吹きの春はもうすぐそこです。
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