ポレポレハウス「2009冬」


ポレポレ

〜小さき命〜

 ポレポレハウスの看板犬チルチル(マルチーズ)は2009年11月22日 夜9時30分、私たちが見守る中、小さな命を閉じました。
  とても勇猛なところと可愛らしさを両方そなえた犬でした。ポレポレハウスの優秀なスタッフでもありました。

 今年の春頃から、草原を元気に走りまわる姿が見られなくなり「散歩に行こうよ…」とさそっても、ついてこなくなりました。無理やり連れて歩き出すと、悲しげに首をかしげジーッと草原を見つめていました。
  毎日の日課だった朝の「一人散歩」もあんなに好きだったのにドアを開けてやっても、外へ出ようとしませんでした。でも、ポレポレハウスへお客様が来てくださると大きな声で「いらっしゃいませ!」と
ほえまくり、お客様のにおいをかぐと、たちまちフレンドリーになり、おだやかに過ごしていました。「ポレポレハウスの人気者…チルチル」に会いたいと、何度もたずねて下さるお客さまもありました。
  夜は私たちと寝たがるようになり、一緒にベッドイン…「スースーピー」とかわいい寝息をたてていました。
  22日の朝6時頃、悲鳴のような声をあげて私たちを起こしたチルチルは苦しみ出しました。いつものあの可愛い黒い目で私たちに苦しさを訴えて15時間… ゼーゼーと荒い息づかいが一瞬止まり、しばらく静かな時が流れましたが、再び激しい苦しさがおそってきて、私は思わずチルチルを抱き上げ抱きしめた時、大きな激しい息づかいはパタリと止まり「小さな命」は、私の胸の中で消えました。
  やっと楽になれたチルチル…「えらかった! 苦しかった! よくがんばったネ」と心からほめてやりました。
 
     今まで 私たちと一緒に生きてくれて ありがとう!
           そして…さようなら さようなら チルチル!


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ポレポレハウス「2009秋」


ポレポレ

〜飛べトンビ〜

飛べ飛べトンビ 空高く楽しげにわをかいて…

ピーヨロ ピーヨロ ピーヨロ 

高らかにわをかいて

高らかにわをかいて…絵本美術館の裏には広い草原があり、時おり、つがいらしい2羽のトビが舞いおりる。すぐ近くの林の中に巣があるらしい。草刈のすんだ草原にはトビだけでなく他の鳥たちもエサをついばみにやって来て、にぎやかだ…。
トビは空の高い所を悠々と飛び、時々「ピー」とかん高い声をあげ、ゆっくりゆったり輪をかいて飛ぶ……。羽根を広げると1メートルくらいはあるだろう大きな鳥だ!草原で仲良くエサをついばむ姿を写真にとろうとしても、少しの音に敏感で、すぐ飛びたってしまう。

ある日、道路側の林の中で1匹のトビが羽根をバタつかせフワフワと飛んでいる。よく見るとまわりに何匹かのカラスが同じように羽根をバタつかせトビをつつこうとしている。トビは必死で逃げようとしているのだが飛び方が弱い!高い空で美しく輪をかいて飛ぶ、あのトビの姿はない。
「どうした!トビ」私は思わず声をあげた。
「なんとか舞い上がってくれ!」 「飛べトンビ!!」
長い時間のトビとカラスのせめぎあい…羽根をバタつかせて何とかトビはカラスの集団から離れた。 「そのままいけ……大空へ!」フワフワと羽ばたきながらトビは飛んだ!

 

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ポレポレハウス「2009夏」


ポレポレ

〜うちのちゃめ子〜

せっせっせーのヨイヨイヨイ

うちのちゃめ子は ほんとに困るね 々♪ 
台所するのに 涙がポーロポロ 々♪
その涙を たもとで ふきましょ 々♪  
ふいた たもとを川へもってて 洗いましょ 々♪
洗った たもとを  竿へもってて ほしましょ 々♪

少女の頃、私たちはこの「わらべうた」でよく遊びました。
姉や近所の女の子たちと2人一組になって大声でうたったものです。
私には遠いあの日、思い出のかなたからたぐり寄せたい大切な言葉があります。それは、母が私に向かって笑いながら「うちのちゃめ子ちゃん」と言った言葉です。
母とどんな会話をしていた時の言葉だったか、忘れてしまいましたが、あの時のやさしい母の声と笑い顔を私は忘れられずにいます。
だれにでも、きっと忘れられない風景や言葉がありますよね…

ほした たもとをたたみましょ 々♪
たたんだ たもとを タンスへ もってて しまいましょ 々♪
しまった たもとを ネズミがガーリガリ 々♪
かじった たもとを くず屋にもってて 売りましょ 々♪
売ったお金でまんじゅ買って食べましょ 々♪

かったか まけたか じゃんけんポン♪

 

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ポレポレハウス「2009春」


ポレポレ

〜ひなさま見しとくれ〜

ひなまつり…懐かしい言葉の響き…
私の幼い日の思い出……
貧しい我が家には、ひなさまはありませんでした。近所の友だちの家のひなさまがうらやましくてたまらない。

「ひなさま買ってちょうだい」とせがむ姉と私に、母はミシンの内職で内裏雛、女雛、三人官女、五人囃子と毎年一段ずつ買ってくれました。
やっとみんなの仲間入りが出来たうれしさに、小さなかごにひなあられや煎り豆を入れて、家々を回った。「ごめんくださ〜い、ひなさま見しとくれ、おぞてもほめるで…」
春風の吹く道を大声をあげて歌いながら走り回ったものです。お菓子をもらうと、かならず菓子を少しかごに入れてお返しをするのです。
「あれ……このひなあられ、うちでやったあられやよ……」と、一日の終わりの頃になるとお菓子はゴチャゴチャになっていました。
立派なひなさまがある家では甘酒をもらって飲みました……
男の子は仲間に入れないで、女の子だけでウキウキした一日でした。
     どこかで春が 生まれてる
       どこかで芽の出る 音がする
          山の三月 東風吹いて
            どこかで春が生まれてる
この歌と一緒に思い出す
「ひなさま見しとくれ、おぞてもほめるで……」

 

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ポレポレハウス「2008冬」


ポレポレ

〜びっくり峠〜

高山から荘川へぬける道…
ポレポレハウスに通じる峠道…
小鳥峠は標高1000メートル…
走行中、何度か耳のふさがりを感じ唾をゴックンと飲み込む。
峠の途中には乗鞍岳が、そのゆったりとした姿を見せ、御岳は雄々しくそびえたつ。
今は自動車でスイスイ越える峠だが、昔は大変な難所で、別名「びっくり峠」ともいった。

峠の春……重たい雪衣を脱ぎ捨てると、小鳥たちはいっせいに鳴きだす。芽吹きの色は、いきいきと野山を動かす。
頂上には座禅草や水芭蕉がムックリと出てきて、車をとめた人たちをしばしなごませる…。

峠の夏……みどり色にむせかえった木々や草地にはやかましいほどの鳥の声…虫の声…
「みんな生きてるよ!」ってコーラスしてる!

峠の秋……木や葉は少しづつ色づき始め、下のほうから祭り囃子と一緒にのぼってくる。
そして紅葉はいっきに走る!走る!走る!

峠の秋から冬……動物たちの通り道は、タヌキ・キツネ・シカ・カモシカ・イノシシ・クマたちなどの動物と共有する峠道!
「今年はクマがはやいこと、けもの道を横切っとったで冬は早いぞ…」と古老の言葉に冬の近づきを感じる。
峠の冬……小さな雪虫が飛び交うようになると峠はいよいよ冬…山も道も真っ白な雪。夫は時々、外に出てつぶやいている「また今年も峠に冬がきた…」と。
道幅もせまいデコボコ道…この峠を越えた昔の人も、峠の途中で雪にまみれつぶやいただろうか……
「こだけ険しい峠じゃで、小鳥峠はやっぱしびっくり峠じゃぞ…」と。

 

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ポレポレハウス「2008秋」




〜ほろほろ鳥〜

ほろほろと 鳴く山鳥の声 聞けば
父かとぞ思い 母かとぞ想う 想う
ほろほろ ほろほろ ほろほろと
ほろほろ ほろほろ ほろほろと

 この歌……もの悲しい旋律でゆっくりゆっくりと唄われます。
いつの頃、作られたのでしょう?私はこの歌をいつ覚えたのかわかりません。
でも、この歌を唄うたびに、私を産んでくれた母のことを思い出すのです…亡くなった母の年齢に近くなった今、一層鮮明に母のことを思い出すのです。

息子が幼なかったあの日……私は息子をおんぶして、夕陽を見ながらゆっくり坂道を歩いていました。ふっと唄いだしたこの歌……
  「ほろほろと鳴く山鳥の声 聞けば…」その時、背中にあったかい息と、こもった泣き声を感じて振り向きました。息子が私の背に顔を押し当てて泣いているではありませんか。3歳にも満たない小さな男の子は、この歌に胸ふるわせて泣いているのです。短いフレーズのこの歌は幼い心の一滴になったのでしょうか。
その息子が最近結婚しました。
結婚式の朝…私と夫は一枚の着物を手にしました。
夫の姉からゆずりうけた着物です。「私がお嫁に来た時、母が縫って、持たせてくれたもので、将来あんた達の子どもに着せてやって……」といただいた着物です。一針一針、丁寧に縫われたその着物……縫い目を撫でながら、一度も会えなかった義母への想いが込みあげてきて
唄っていました……

ほろほろと 鳴く山鳥の声 聞けば
父かとぞ思い 母かとぞ想う 想う
ほろほろ ほろほろ ほろほろと
ほろほろ ほろほろ ほろほろと

 

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ポレポレハウス「2008夏」




〜小さき命〜

私は、ここポレポレハウスの看板犬・マルチーズの「チルチル」と申します。
皆様がおいで下さった時、吠えまくり大歓迎のご挨拶をするあの犬が私なのでございます。
13年前に、スリッパの中にスッポリ入るくらい小さな犬でした。あれから、もう13年もたったのですか?私も年をとったもんです。最近「あくび」がよく出ましてネ「ファー」と大あくびをするたび、みんなに笑われるんです。「犬があくびするか?」って…犬だってあくびくらいしますよねェ…。
後ろの足が時々もつれるようになりましてネ「ステーン」こけちゃうこともあります。でもまだまだしっかり起き上がり歩きますよ。
そうそう私が少し大きくなった頃、色々なことを教えてもらいました。「お座り、お手、ふせ、待て」これくらいは朝めし前で、すぐに覚えちゃいました。でも、ひとつ苦手なことがありました…家の人と一緒に歩くことです。その頃は私はまだ子どもですから、何にでも興味があって道草ばかり。一緒に歩調をあわせて歩くなんてそんなこととても…。
うれしいことに、ポレポレハウスに移って住むようになったら、何と首輪も紐もつけないで、どこでも自由に歩いていいことになりました。「うれしい!」とさけびましたら、そのかわり「イケナイ、ダメ!」という言葉を厳しく教えられました。
私を自動車やその他の危険から守るためなんですって…。道に飛び出したり、自動車に向かって興奮して走り出したりしないこと…家の人が「イケナイ、ダメ!」と言ったら動かないことなどです。これは、とても難しくて覚えるのに苦労しました!最近、又ひとつ厄介なことがおきてきましてネ。
私、夜みんなが寝静まると「ウーワン」となきたくなるんです。寂しいような悲しい気持ちでみんなを呼びたくなるんです。
困りました…でも家の人はすぐ来てくれて「大丈夫、大丈夫」と抱いてくれます。
朝になれば元気が出て来てトコトコとポレポレハウスの周りを歩きまわります。やぎの「ゆきちゃん」にも「オハヨウサン」と声をかけ、朝のきれいな空気を胸いっぱい吸い込みます。「今日一日良い日でありますように…」「今日もまたポレポレハウスに来て下さるお客様に大きな声で吠えまくり、大歓迎のご挨拶できますように……ワン!」
飛騨絵本美術館ポレポレハウス

 

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ポレポレハウス「2008春」




〜芽デル・葉デル〜

春はいいもんですなァ
「スプリング ハズ カム」新しい芽が土の中から
ニョッキリ顔を出すと思わず「お前たち生きとったかいな……
あの重たい雪の下で…」と言いたくなりますわ、ホンマに!

ホレ……あのすずらん…ヒョロヒョロと小さい芽だしおって出てきますがな…
「あんたさん大丈夫ですかいな」って言いとおおます。
しかし、まぁたいしたものでっせ、あと半月もすりゃ、まーるい小さい花咲かしよりますがな…。

そして、ホレ……あのカサブランカですがな
あの花、芽のうちから存在感おますわ…!雪が消えるとすぐに坊やの可愛いオチンチンみたいな芽だしてからに日に日に大きくなりますがな…。思わず「よう出てきた、よう出てきた」そないゆうて芽のさきなでてやります。

ホレ、ホレ……あのぎぼしの事も話しときませんとあかんですわな…枯れた古株おしのけて三角の芽がそりゃぎょうさん出てきよります。夏は庭の主人公やさかい、芽出して、葉広げて、花さけせて、そりゃ力強いですわ…

目をちょこっと上げとくりやす。」あちこちに今年生まれたばっかの芽がこっちむいて笑ってまっせ…。わて、思わず鼻ピクピクさせて思いっきり息吸うてみますのや…
「フェ フェ フェックション」
まぁ…春の行事みたいなもんでおますわなァ…「フェ フェ フェックション」

「ケキョ ケキョ ケー」「あれあれあんたさん大丈夫ですかいなー」しげみの中から春の声が聞こえてきました。練習中デッカ?まぁじき、あんじょう鳴けるようになりますがな…きばりぃや…
「ホー ホケキョ」春ですわ!ホレホレ、さっそくきばりよったがな…

「ちりとてちん」見すぎちゃった
中沢由美子

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ポレポレハウス「2008冬」




〜エスキモーの挨拶…知っている?〜
私が子どもだった頃

「姉ちゃん……姉ちゃん」と、いつも私の後をついてくる弟がいた。この弟がまだ1才にもならない頃、大病をした。「もう助からまいなァ」と、まわりで大人たちがヒソヒソ話していた。
母の必死の看病で弟の幼い命は助かった。家の中がパッと明るくなったあの日、うれしくて、飛びはねていた、4才の頃の私デシタ。

「姉ちゃん、ションベ」弟はよく学校までついてきて、私の教室のうしろで遊んでいた。時々、小便がしたくなると私を大声で呼ぶ……。
「先生……弟を便所につれていってもいいですか」「いいですよ!」
今では考えられない教室の風景……。7才の頃の私デシタ。

私は給食を大急ぎで食べると、当番の仕事をするため、講堂の拭き掃除を始めた。すると校内放送が始まり、ものすごい音響で歌声が聞こえてきた。

♪エスキモーの挨拶 知っている? 知らないの?
相手の頭をコツンとぶつと 相手も頭をぶち返す
それがエスキモーのごあいさつ… チョト変ね、ウ・フ・フ
とっても変だわ ウフフ♪

「ヤッカマシーなぁ〜」と耳をふさぎながら「アレ、この歌は……たしか私が弟に教えた歌!」私は、雑巾を持ったまま走り出した。
放送室の戸をソーっと開けると、やっぱり小さな弟がマイクの前で胸をはり♪エスキモーの挨拶 知っている?♪と歌っている。その時、私の胸の奥から何か不思議な思いが突き上げてきて放送室の戸をソーっと閉めながら泣いていた
11才の頃の私デシタ。

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ポレポレハウス「2007秋」




〜ゆきちゃんが来た日〜

もしもし…ポレポレハウスさんですか。こちら子ノ原高原にあります塩尻山荘ですが、ヤギの子どもをそちらでもらってもらえませんか…?」

春のあったか〜いある日、アタシは生まれたの…
草むらの中でメェメェ泣いてたの…
母さんのオッパイ飲んで大きくなったアタシは、山の中をのびのび走り回れるようになったの……時々、母さんのオッパイをチュチュチュチュと飲むと、うれしくなってまた走るの……。
ポレポレハウスの父さん母さんがアタシに会いに来てくれた日のこと覚えているよ……。山道を自動車がのぼって来たので、アタシ自動車の前をピョンピョンピョーンと走って道案内をしてあげたわ……。
自動車を降りるなり「ゆきちゃん」とアタシを呼んでくれたよ……でも……ヤギの母さんのそばがいいから、あわてて母さんの後ろに隠れちゃったわ。

もう、だいぶ大きくなったから、いつ連れていってもらってもかまいませんよ…」と山荘の人…。
「ゆきちゃん…みんなが待ってるよ」と、ポレポレハウスの人。

ヤギの母さんにさよならするのちょっぴりさみしかったけど、アタシ、ポレポレハウスに来たの……
草をいっぱいいっぱい食べて大きくなるわ!
ヨ・ロ・シ・ク

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ポレポレハウス「2007夏」




〜猫ふんじゃった〜

オイラ達は、ポレポレハウスの看板猫でございます。
3年前、2匹とも手のひらにのるくらい小さい時、ここん家の庭でここん家の人に「ワァ…可愛い!」と抱きあげてもらってラッキーでございました。そんなわけでここん家の子になったというわけです。
オイラは兄貴分の夕日(ゆうひ)で、弟分は朝日(あさひ)と申します。
両方とも、この名前には、さしとて異存はござりません。
ただ夜になると、ここん家の人、オイラ達を外に出しちまうんです。「ひどいよ!」オイラ達が夜の暗闇の中でどんなめにあってるのか、ごぞんじですかねぇ。
この間なんか、誰か知らねぇヤツにいきなり耳かじられたんだ……イタかったぜェ。びっくりしたのなんの……
近くの木に逃げ登ったけど次が悪い……オイラ木からおりられなくて、かわいそうじゃないか!木のてっぺんで一晩中、ふるえてたってわけよ……
弟分はどういうわけか夜の外が好きなんだなぁ。10日間も外ほっつき歩いてヨレヨレになって帰ってきたんだぜアイツ!
オイラにはちょっと理解できねぇ行動だ……。
ここん家のオクさん、髪ふりみだして探してたぜ、アイツのこと。
ここにはよ…オイラがもっとも苦手なヤツがいるってこと知ってるかい?
カラス……あの黒いヤツ……カァカァうるさいヤツ……。
この間なんか、もうちょっとでカラスにこのオレサマの命ささげるところだったんだぜ……
ここん家のうらの草原で、いい気持ちでウトウトしてたオイラをカラスがつつきだしたんだ。
どこから集まってきたんだかしらねぇけどよ……オイラを20匹ほどで、取り囲んだってわけ。
腰抜かして動けずにジーッとしているオイラめがけてカラスどもひどいよ!
そのとき棒を振り回してここん家のオクさんがあらわれた……「コラァ!おらん家の猫に何する!!」と、カラスどもを追っ払ってくれたぜ。オイラ助かったなぁ!   「オクさん、ありがとう」
だけどよ……ここん家の太めのオクさん!オイラたちをいつもふんずけて歩くんだ。、
「ギャー!」カラスにつつかれるよりもっと痛い!暗闇で耳かじられるよりもっと痛い!
いくら忙しいからって、オイラをふんずけてドタドタ歩くのだけはやめてもらいたいもんだ。
ここん家のオクさん、オイラにあやまりもしないで

♪猫ふんじゃったァ 猫ふんじゃったァ♪

♪猫ふんづけちゃったら ひっかいた♪

なんて大声で歌いながら、走っていくんだから……モゥ……!


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ポレポレハウス「2007春」




〜峠の家〜

「この水仙はなぁ…死んだジィちゃんが植えていってくれたんや…」と
春になると畑の畝道に立っていつも私に話しかけてくる隣のバアちゃん。
小鳥峠の辻に、昔から一人で住んでいる82才…。
背筋がピンとしていて、とても80才をこえた人には見えない。
それでも離れて暮らす息子さんは、心配して時々様子を見にみえる。
野菜づくりを楽しみに、この地が大好きなバアちゃんを、なんとか町の生活に馴染ませる努力をしてみるが、なかなか大変。
連れて行くのだが、2・3日すると、すぐ峠の家へ帰ってきてしまう。
夫と共に子育てをしてきたこの地、この家……。
「野の知識や山の知識」を夫と2人の財産にして生きてきた、思い出のつまったこの家に。
夕方、バアちゃんの家に灯りがつく。白い煙がゆっくり立ちのぼる!
じいちゃんが植えていってくれた水仙に守られて、今日も…。

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ポレポレハウス「2007新春」



四月…
春のまつりが過ぎ、ようやく暖かさを
感じられるようになったとウキウキしていたのに……
今夜、又チラチラと雪が舞い始めました。
「もうすぐ咲くよ…」と張り切っていた
チューリップ・ムスカリ・パンジー・ビオラ・デージーなどの
幼い花の上にうっすらと雪が…!
ポレポレハウスには春が今年もゆっくりゆっくり訪れます。

春一番

ポレポレハウス裏に広がる
草原の小さなくぼ地
そこは、雪解け水が
湧き出るところ……
イノシシたちが
うりん坊を連れて
やって来る!
 一匹、二匹、三匹……
  五匹のうりん坊だ
   よく跳ねる!
ひがな一日
親子はエサを食む
「春が来た!」
イノシシたちの
食事風景は、
春のきざし…
春一番!
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ポレポレハウス「2006秋だより」



秋はいいな涼しくて
お米が実るよ 果物も
山からコロコロやってくる
秋はいいな 秋はいいな
赤い木の葉の 小人さん
山からチラチラやってくる

「暑〜い」と悲鳴をあげていたのにもう秋は深く…
まわりの木々はシックな装いになりました。
昨日は雪虫がお尻に白い綿毛を付けて飛んでいました。
雪虫は冬の使者です。
訪れる飛騨の冬をどうやって過ごしましょう。
 薪の用意は…
   雪囲いは…
     保存食は…
春の花の用意は…
ストーブの火は、秋に採れた野菜をおいしく煮込んでくれます。
冬、ダイヤモンドダストが美しい日には
外で温か〜いコーヒーが飲めるのを楽しみに、さぁ、冬を迎える準備はOKです。
秋の静けさの中で、絵本の世界をお楽しみ下さい。もちろん、おいしいお茶と
焼き菓子もご用意してお待ちしております。

 

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ポレポレハウス「2006夏だより」



はるかに海の見える丘
月の雫をすうて咲く
夢のお花の月見草
花咲く丘の月見草

長い梅雨があけると、暑〜い夏の到来で、みなさんいかがお過ごしですか。暑さに弱い私は扇風機にしがみつきたい気分です……。
8月になると、ポレポレハウスのまわりは黄色の花のオンパレードとなります。地球がゆっくりとまわって今日一日が終わろうとする頃には「ポッ」「ポッ」「ポッ」と月見草がまさにその名のとおり、月に向かって咲き出します。
花弁がゆっくりゆっくり1枚づつ開きだし、最後に「ポッ」と小さな花音をたてたかのように可憐に咲くのです。たった一夜の命を、月の雫を受けて、夢のように咲く月見草たち……。

 

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ポレポレハウス「2006春だより」



春になれば 氷も解けて
どじょっこだの ふなっこだの
夜があけたと思うべな

ポレポレハウスを包みこんでいた雪のかたまりが日増しに小さくなっていき、
とうとう五月中旬、全部の雪が消えました。
「長い冬だった……」
二メートルを越す積雪を見上げては、ため息をついていた冬でした。
裏山の木が、雪の重さに耐えかねて何本も折れてしまいました。特に松の大木が、悲鳴をあげながら次々とたおれていく姿は、たまらなく悲しい状景でした。
それでも四月に入ると、雪解け水は音をたてて沢を流れ出し、屋根からは「ポタン、ポタン」と水は流れ落ちて、いよいよ美しい春の訪れです。
この春、初めてポレポレハウスの前の空き地に植えた桜の木に、たくさん花がつきました。「てんぐ桜」と「達子桜」と名前がついています。オープンを記念して植えた桜の苗木です。「てんぐ桜」は、清見インターと運命を供にして消えてしまった「てんぐ山」から、村人の好意で、ここに運ばれ、植えました。「達子桜」は、友達の達子さんが届けてくれた「ソメイヨシノ」です。
その二本の桜は年々、その花の数を増やし、来年も再来年もずっとここに咲くでしょう。ポレポレハウスを訪れて下さる方たちの心に残る花を咲かせ、やがて大木となるでしょう。
この冬、折れて地に還っていく松の大木……そのどちらも「愛しい」春です。

 

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